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運営ガイドライン

作成:2025.2月

改訂:2026.1月

1. 目的・意義 

かんしょくプロジェクトは、やむを得ず作りすぎてしまった安全な食事を廃棄することなく、必要とする方々へ安全かつ確実に届ける仕組みを構築・運営することを目的としています。 本プロジェクトは、食品ロスの削減という社会課題への対応にとどまらず、食を通じた支え合いの循環を生み出し、地域社会における持続可能な共助のモデルを実現することを目指します。 

 

2. 基本方針 

2-1.  本ガイドラインによって達成したいこと 

本ガイドラインは、かんしょくプロジェクトに関わるすべての関係者が共通の認識と基準を持ち、安心して参加・協力できる環境を整えることを目的としています。具体的には、以下の点を重視します。 

● 参加者(利用者・ボランティア・関係者)の安全と安心を最優先に守ること 

● 食事提供元事業者をはじめ、本事業に関係するすべてのステークホルダーに対する信頼性と透明性を確保すること 

● 食事を受け取る利用者が、安心して参加できる環境を維持すること 

2-2.  ガイドラインの位置づけ 

本ガイドラインは、食の安全および衛生管理、事業運営における基本ルール、データの適切な管理、ならびにボランティア運営に関する考え方や手順を体系的に整理したものです。 これにより、関係者全員が共通のルールのもとで行動し、リスクを最小限に抑えながら、安定的かつ継続的にプロジェクトを運営できる仕組みを整えます。 

3. 適用範囲

本ガイドラインは、かんしょくプロジェクトの実施および運営に関わる、以下のすべての個人・団体を対象とします。 

● 最愛の食卓事務局 

● 食事提供元事業者 

● 食事配送業者 

● 拠点運営に連携する企業・団体 

● 会場管理者 

● 個人ボランティア 

● ボランティアを提供・支援する企業・団体 

● その他、本事業に関わるすべての連携企業・団体 

 

本ガイドラインに基づき、各関係者はそれぞれの役割と責任を理解し、相互に連携・協力しながら、かんしょくプロジェクトの円滑かつ安全な運営に努めるものとします。 

4. 用語の定義

本ガイドラインにおいて「食事」とは、調理が完了し、提供および喫食が可能な状態のものを指し、食品衛生法上の「食品」に該当します。使用する主な用語の定義は、以下のとおりとします。 

4-1. 提供食事(食品) 

食事提供元事業者において、衛生上の問題はないものの、やむを得ず廃棄予定となった食事であり、本プロジェクトの目的に沿って提供されるものを指します。

 

4-2. 拠点 

定期的に提供食事を受け取り、利用者へ食事を提供する場所を指します。本事業では、運営形態に応じて以下の2種類の拠点に区分されます。 

直営拠点:最愛の食卓事務局が直接運営および管理を行う拠点 

連携拠点:統一ガイドラインに基づき地域主体で運営される拠点 

4-3. 食事提供元事業者 

事業活動の過程で発生した食品ロスのうち、衛生的に安全である食事を、本プロジェクトの目的に沿って提供する事業者を指します。 

4-4. 食事配送業者  

提供食事を、食事提供元事業者から各拠点まで、安全かつ適切な状態で配送する業者を指します。 

4-5. 食缶  

提供食事を受け取る際に使用する、専用の保温または保冷機能を有する容器を指します。 

4-6. 検温 

提供食事が安全に提供可能な温度帯に保たれているかを確認するため、主に受け取り時および提供前に実施する、食缶または容器内の食品温度を測定する行為を指します。 

4-7. 調理完了 

各食品区分ごとに定めた安全確保のための管理基準(加熱・冷却・衛生確認等)を含め、レシピ通り調理工程を全て終了した時点を指します。 

5. 対象業務(概要) 

本ガイドラインにおいて「食事」とは、調理が完了し、提供および喫食が可能な状態のものを指し、食品衛生法上の「食品」に該当します。使用する主な用語の定義は、以下のとおりとします。 

5-1. 拠点運営に関する業務 

提供食事の受け取り、配布、会場運営等、拠点における事業運営全般に関する業務。 

5-2. 備品の管理に関する業務 

食事提供および会場運営に使用する備品の管理、点検、清掃および衛生維持に関する業務。

5-3. お食事の衛生・安全管理に関する業務

提供食事の受け取り、配布、会場運営等、拠点における事業運営全般に関する業務。 

5-4. 事務局スタッフおよびボランティアの衛生・健康管理に関する業務  

事務局スタッフおよびボランティアの健康状態の確認、衛生管理および活動環境の維持に関する業務。 

 

5-5. 個人情報の管理に関する業務

利用者、ボランティア、関係者に関する個人情報および事業運営上の情報の取得、管理および保護に関する業務。

 
5-6. 効果測定に関する業務 

事業の実施状況および社会的効果を把握・検証するためのデータ収集および分析に関する業務。 ​

6. 参考とした関連法令・ガイドライン 

本ガイドラインの策定にあたっては、以下の法令およびガイドラインを参考とし、その考え方を取り入れています。 厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」と、 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を取り入れた衛生管理、これらの基準を踏まえ、かんしょくプロジェクトの特性に応じた現実的かつ実行可能な運営ルールとして本ガイドラインを構成しています。 

7. 拠点運営  

かんしょくプロジェクトにおける拠点運営は、提供される食事の安全性および事業全体の信頼性を確保する上で、極めて重要な要素です。本章では、拠点の運営形態に応じた体制および遵守事項を定めます。 

7-1. 直営拠点 

直営拠点においては、最愛の食卓事務局が主体となり、以下の体制および基準に基づいて運営を行います。 各直営拠点には、拠点運営全体を統括する拠点長を配置します。 拠点長は、食品の取り扱いに関する専門的知識を有する者として、食品衛生責任者講習を受講済みであることを必須とします。 活動内容および提供規模に応じて、必要な人数のボランティアを確保し、安全かつ円滑な配食体制を整えます。 拠点運営にあたっては、事務局が定める拠点運営マニュアルに沿って運営を行い、衛生管理および安全管理を徹底します。 

7-2. 連携拠点  

連携拠点においては、本プロジェクトの趣旨に賛同する連携団体・企業が主体となり、以下の基準に基づいて運営を行います。 拠点運営マニュアルに基づき、直営拠点と同等の運営水準を維持するものとします。 各拠点には、本事業に関する運営責任者を配置します。 事務局と連携し、定期的に運営状況の確認および情報共有を行い、運営上の課題や改善点について相互に共有します。 

8. 安全・衛生管理 

かんしょくプロジェクトにおける安全・衛生管理は、利用者、ボランティア、関係者すべてが安心して参加できる事業運営の基盤となるものです。本章では、事業全体に共通する基本的な考え方および遵守事項を定めます。 拠点運営にあたっては、事務局が定める衛生管理マニュアルに基づき、食品の取り扱い、会場環境および備品管理等について、定められた手順を遵守します。 事務局スタッフ、拠点関係者およびボランティアを含む参加者全員について、活動前に健康状態を確認し、発熱や体調不良がある場合には無理な参加を控えるものとします。 菌の混入および増殖のリスクを最小限に抑えるため、温度管理、時間管理および清掃管理を徹底し、調理後から提供、喫食に至る各工程において、安全性が確保された状態を維持します。 これらの取り組みにより、食中毒等の事故を未然に防止し、継続的かつ信頼性の高い事業運営を行います。 

9. ボランティア 

ボランティアは、かんしょくプロジェクトの理念を実現する上で重要な役割を担う存在です。本章では、ボランティア参加に関する基本的な考え方および遵守事項を定めます。 

9-1. ボランティアの目的 

ボランティア活動は、本プロジェクトの理念に基づき、安全で安心な食事提供の実現と、利用者が安心して過ごせる居場所づくりを支援することを目的とします。

9-2. 人数配置 

配食および会場運営にあたっては、提供規模および会場条件に応じて、利用者に対して安全かつ円滑に対応できる十分な人数のボランティアを配置します。 

9-3. 年齢制限  

ボランティア参加は、原則として18歳以上とします。 未成年者が参加する場合には、保護者の同意および事務局の事前承認を必須とし、活動内容および配置については安全面に十分配慮した上で決定します。 

9-4. 秘密保持 

ボランティアは、活動を通じて知り得た利用者の個人情報、関係者の情報および事業運営に関する内部情報について、第三者に漏えいしてはなりません。 本義務は、活動期間中のみならず、活動終了後においても継続するものとします。 

10. 情報・データ管理 

かんしょくプロジェクトでは、利用者、ボランティア、関係者のプライバシーを尊重し、信頼性の高い事業運営を行うため、情報およびデータを適切に管理します。 個人情報の取得にあたっては、利用目的を明確にした上で必要な範囲に限定し、目的外での利用は行いません。 取得した個人情報および事業運営に関わるデータについては、適切な管理方法を講じ、不正アクセス、紛失、漏えい等の防止に努めます。 データへのアクセス権限は、業務上必要な最小限の関係者に限定し、権限の管理および見直しを適切に行います。 

11. 居場所のルール 

本プロジェクトが提供する居場所は、すべての利用者が安心して過ごせる空間であることを前提とします。そのため、利用者、ボランティア、関係者は、以下のルールを遵守するものとします。他者の立場や多様性を尊重し、差別的、威圧的、または不適切な言動を行わないこと。 誰もが安全で安心できる空間となるよう、相互に配慮し、居場所づくりに協力すること。 会場の秩序および安全を保つため、スタッフおよびボランティアの指示に従うこと。 これらのルールは、利用者一人ひとりの安心を守るとともに、プロジェクト全体の円滑な運営を目的として定めるものです。 

12. 遵守すべき食品衛生基準

かんしょくプロジェクトにおいて提供されるお食事は、安全性を最優先とし、厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」およびHACCPの考え方を踏まえ、以下の基準を遵守するものとします。 

12-1. 加熱(中心温度)に関する基準  

加熱調理を行う食品については、中心温度75℃で1分以上の加熱、または中心温度88℃に達していることの確認を行います。 二枚貝については、食中毒リスクに配慮し、中心部が85℃〜90℃で90秒間以上加熱されていることを確認します。  

12-2. 喫食までの時間管理(温食)   

温かい状態で提供するお食事(温食)については、65℃以上を維持し、調理完了後2時間以内に喫食が完了することを原則とします。 提供時間を超過するおそれがある場合や、安全性が十分に担保できないと判断される場合には、提供を中止します。 

12-3. 年冷食(冷却を含む)の温度管理   

冷食として提供する食品については、調理後、速やかに20℃以下まで冷却、または加熱後冷却工程がある食品は、加熱終了後60分以内に10℃以下まで冷却します。その後は10℃以下で保存します。これには、保管時および運送時を含みます。 

12-4. 提供時の管理  

提供時においては、盛り付け直前まで、冷食は10℃以下、温食は65℃以上の状態を維持します。 

12-5. お弁当に関する基準   

(1) 準備 

お弁当の調製にあたっては、HACCPに沿った衛生管理を基本とします。 冷蔵で提供する場合は10℃以下、温蔵で提供する場合は65℃以上で保管します。 食品の特性および提供条件を踏まえ、消費期限を適切に設定します。 

(2) 運送から提供まで 

運送時および提供時においては、直射日光や高温環境を避け、可能な限り速やかに喫食が完了するよう配慮します。 衛生および安全確保の観点から、お弁当の持ち帰りは禁止とします。 

(3)弁当の表記 お弁当には、原則として食品表示法に基づいた表示を行います。 名称は、「幕の内弁当」「のり弁当」「とんかつ弁当」「いなりずし」等とし、惣菜にあっては「煮豆」「つくだ煮」「コロッケ」「マカロニサラダ」等、その内容を表す一般的な名称を表示することとします。 

原材料の表示については、食品表示基準に基づき、消費期限の日付の表示を義務としますが、品質(状態)の劣化が特に早い弁当類については、「年月日」に加え、必要に応じて「時間」まで表示することとします。 

また、特定原材料(8品目)である、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)については、表示を義務とします。 

(4)参考資料 

本基準の策定にあたっては、以下の消費者庁による表示基準・解説を参考にしています。 

● 消費者庁「別添 弁当・惣菜に係る表示」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_230629_14.pdf) 

● 消費者庁「食物アレルギー表示ハンドブック」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_210514_01.pdf) 

● 消費者庁「早わかり食品表示ガイド」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/assets/food_labeling_cms201_250512_02.pdf) 

13. 効果測定

かんしょくプロジェクトでは、事業の有効性および社会的価値を可視化し、継続的な改善につなげるため、効果測定を実施します。 

13-1. 測定項目 

効果測定にあたっては、主に以下の項目を指標とします。 

● 食品ロス削減量(重量・食数等) 

● 食品ロス削減に対する参加者・関係者の意識の変化 

13-2. 測定方法    

測定は、定量的・定性的な両面から行います。食品ロス削減量については、提供実績の記録をもとに算出し、意識の変化についてはアンケート調査を通じて把握します。 

13-3. アンケートおよび実施頻度    

アンケートは、利用者、ボランティア、関係者を対象に実施し、事業への理解度や意識の変化、ならびに改善点の把握を目的とします。 実施頻度については、各拠点および利用者の特性を踏まえ、拠点長を中心に関係者と協議の上決定するものとし、最低でも年に一度は実施します。また、必要に応じて、事業の節目や特定の取り組み後に追加で実施することがあります。 アンケート結果は、事業改善および関係者への報告資料として活用します。 

 

14. 留意事項 

14-1. 関係者・連絡体制

本ガイドラインの作成および運用に関する責任は最愛の食卓事務局が担います。運営上の問題や緊急時には、事務局が定める連絡先へ速やかに報告・相談を行ってください。

15. 事故・緊急時の対応

かんしょくプロジェクトにおいて、事故、体調不良、食中毒の疑い、トラブル等の緊急事態が発生した場合には、被害の拡大防止および迅速な問題解決を最優先とし、以下の方針および手順に基づいて対応を行います。 

15-1. 事実確認および一次対応 

事故または緊急事態が発生した場合には、現場において以下の対応を速やかに行います。 利用者および関係者の安全確保を最優先とし、必要に応じて救急要請等の緊急対応を行います。 事故の発生状況、日時、場所、関係者、内容等について、可能な範囲で事実確認を行い、記録します。 提供中または提供予定の食事について、安全性に疑義が生じた場合には、直ちに提供を中止し、原因が判明するまで再開しません。 二次被害や混乱を防ぐため、現場判断での情報拡散や憶測による説明は行わず、事務局の指示に従います。 

15-2. 事務局への報告フロー 

事故または緊急事態が発生した場合には、拠点責任者または現場責任者は、速やかに事務局へ報告を行います。 報告は、事務局が定める連絡手段(電話、指定フォーム、メール等)を用いて行うものとします。 報告内容には、事故の概要、発生日時、場所、関係者、現時点での対応状況および被害の有無を含めます。 事務局は、報告内容をもとに状況を把握し、必要に応じて関係機関への連絡、追加対応の指示、再発防止策の検討および関係者への説明を行います。 これらの対応を通じて、事故の影響を最小限に抑えるとともに、事業全体の信頼性維持に努めます。 

16. ガイドラインの見直し

本ガイドラインは、法令、社会状況、事業内容および運営体制の変化等を踏まえ、必要に応じて見直しを行うものとします。 関連法令や行政指針の改正、社会的要請の変化、事業の拡大または運営形態の変更等が生じた場合には、内容の妥当性および実効性を検証し、適切な改定を行います。 ガイドラインの改定は、最愛の食卓事務局を主体として行い、改定後は関係者に対して速やかに周知します。 改定されたガイドラインは、原則として周知日以降の事業運営に適用されるものとします。 

 

17. 責任の所在

かんしょくプロジェクトは、本ガイドラインおよび関連マニュアルに基づき、提供食品の安全性および事業運営の適正性を確保するよう最大限の努力を行います。 

17-1. 責任の所在 

本プロジェクト全体の運営方針の策定、ガイドラインおよび各種マニュアルの整備、ならびに事業の統括管理については、最愛の食卓事務局が責任を負うものとします。 各拠点における日常的な運営、現場管理、安全確保およびボランティアの配置・指導については、当該拠点の責任者が、本ガイドラインおよび事務局の定めるルールに基づき責任をもって行うものとします。 連携拠点においては、連携団体または企業が、自らの責任において拠点運営を行い、事務局と連携しながら適切な運営水準の維持に努めるものとします。 

17-2. 免責に関する考え方  

天災地変、不可抗力、交通事情、突発的な設備不具合等、事務局および拠点の合理的な管理の及ばない事由により生じた損害については、その責任を負わないものとします。 また、利用者、ボランティア、関係者が本ガイドラインまたはスタッフの指示に反する行為を行ったことにより生じた事故・トラブルについては、原則として責任を負わないものとします。 ただし、重大な過失または法令違反が認められる場合には、この限りではありません。 

18. 附則(施行および適用) 

本ガイドラインは、制定日より施行するものとします。 本ガイドラインは、施行日以降に実施される、かんしょくプロジェクトのすべての事業および拠点運営に適用されるものとします。 なお、本ガイドラインの内容は、必要に応じて改定されることがあり、改定後のガイドラインについては、事務局からの周知をもって適用されるものとします。 

運営ガイドライン

作成:2025.2月

改訂:2026.1月

1. 目的・意義 

かんしょくプロジェクトは、やむを得ず作りすぎてしまった安全な食事を廃棄することなく、必要とする方々へ安全かつ確実に届ける仕組みを構築・運営することを目的としています。 本プロジェクトは、食品ロスの削減という社会課題への対応にとどまらず、食を通じた支え合いの循環を生み出し、地域社会における持続可能な共助のモデルを実現することを目指します。 

 

2. 基本方針 

2-1.  本ガイドラインによって達成したいこと 

本ガイドラインは、かんしょくプロジェクトに関わるすべての関係者が共通の認識と基準を持ち、安心して参加・協力できる環境を整えることを目的としています。具体的には、以下の点を重視します。 

● 参加者(利用者・ボランティア・関係者)の安全と安心を最優先に守ること 

● 食事提供元事業者をはじめ、本事業に関係するすべてのステークホルダーに対する信頼性と透明性を確保すること 

● 食事を受け取る利用者が、安心して参加できる環境を維持すること 

2-2.  ガイドラインの位置づけ 

本ガイドラインは、食の安全および衛生管理、事業運営における基本ルール、データの適切な管理、ならびにボランティア運営に関する考え方や手順を体系的に整理したものです。 これにより、関係者全員が共通のルールのもとで行動し、リスクを最小限に抑えながら、安定的かつ継続的にプロジェクトを運営できる仕組みを整えます。 

3. 適用範囲

本ガイドラインは、かんしょくプロジェクトの実施および運営に関わる、以下のすべての個人・団体を対象とします。 

● 最愛の食卓事務局 

● 食事提供元事業者 

● 食事配送業者 

● 拠点運営に連携する企業・団体 

● 会場管理者 

● 個人ボランティア 

● ボランティアを提供・支援する企業・団体 

● その他、本事業に関わるすべての連携企業・団体 

 

本ガイドラインに基づき、各関係者はそれぞれの役割と責任を理解し、相互に連携・協力しながら、かんしょくプロジェクトの円滑かつ安全な運営に努めるものとします。 

4. 用語の定義

本ガイドラインにおいて「食事」とは、調理が完了し、提供および喫食が可能な状態のものを指し、食品衛生法上の「食品」に該当します。使用する主な用語の定義は、以下のとおりとします。 

4-1. 提供食事(食品) 

食事提供元事業者において、衛生上の問題はないものの、やむを得ず廃棄予定となった食事であり、本プロジェクトの目的に沿って提供されるものを指します。

 

4-2. 拠点 

定期的に提供食事を受け取り、利用者へ食事を提供する場所を指します。本事業では、運営形態に応じて以下の2種類の拠点に区分されます。 

直営拠点:最愛の食卓事務局が直接運営および管理を行う拠点 

連携拠点:統一ガイドラインに基づき地域主体で運営される拠点 

4-3. 食事提供元事業者 

事業活動の過程で発生した食品ロスのうち、衛生的に安全である食事を、本プロジェクトの目的に沿って提供する事業者を指します。 

4-4. 食事配送業者  

提供食事を、食事提供元事業者から各拠点まで、安全かつ適切な状態で配送する業者を指します。 

4-5. 食缶  

提供食事を受け取る際に使用する、専用の保温または保冷機能を有する容器を指します。 

4-6. 検温 

提供食事が安全に提供可能な温度帯に保たれているかを確認するため、主に受け取り時および提供前に実施する、食缶または容器内の食品温度を測定する行為を指します。 

4-7. 調理完了 

各食品区分ごとに定めた安全確保のための管理基準(加熱・冷却・衛生確認等)を含め、レシピ通り調理工程を全て終了した時点を指します。 

5. 対象業務(概要)

本ガイドラインにおいて「食事」とは、調理が完了し、提供および喫食が可能な状態のものを指し、食品衛生法上の「食品」に該当します。使用する主な用語の定義は、以下のとおりとします。 

5-1. 拠点運営に関する業務 

提供食事の受け取り、配布、会場運営等、拠点における事業運営全般に関する業務。 

5-2. 備品の管理に関する業務 

食事提供および会場運営に使用する備品の管理、点検、清掃および衛生維持に関する業務。

5-3. お食事の衛生・安全管理に関する業務

提供食事の受け取り、配布、会場運営等、拠点における事業運営全般に関する業務。 

5-4. 事務局スタッフおよびボランティアの衛生・健康管理に関する業務  

事務局スタッフおよびボランティアの健康状態の確認、衛生管理および活動環境の維持に関する業務。 

 

5-5. 個人情報の管理に関する業務

利用者、ボランティア、関係者に関する個人情報および事業運営上の情報の取得、管理および保護に関する業務。

 
5-6. 効果測定に関する業務 

事業の実施状況および社会的効果を把握・検証するためのデータ収集および分析に関する業務。 ​

6. 参考とした関連法令・ガイドライン 

本ガイドラインの策定にあたっては、以下の法令およびガイドラインを参考とし、その考え方を取り入れています。 厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」と、 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を取り入れた衛生管理、これらの基準を踏まえ、かんしょくプロジェクトの特性に応じた現実的かつ実行可能な運営ルールとして本ガイドラインを構成しています。 

7. 拠点運営 

かんしょくプロジェクトにおける拠点運営は、提供される食事の安全性および事業全体の信頼性を確保する上で、極めて重要な要素です。本章では、拠点の運営形態に応じた体制および遵守事項を定めます。 

7-1. 直営拠点 

直営拠点においては、最愛の食卓事務局が主体となり、以下の体制および基準に基づいて運営を行います。 各直営拠点には、拠点運営全体を統括する拠点長を配置します。 拠点長は、食品の取り扱いに関する専門的知識を有する者として、食品衛生責任者講習を受講済みであることを必須とします。 活動内容および提供規模に応じて、必要な人数のボランティアを確保し、安全かつ円滑な配食体制を整えます。 拠点運営にあたっては、事務局が定める拠点運営マニュアルに沿って運営を行い、衛生管理および安全管理を徹底します。 

7-2. 連携拠点  

連携拠点においては、本プロジェクトの趣旨に賛同する連携団体・企業が主体となり、以下の基準に基づいて運営を行います。 拠点運営マニュアルに基づき、直営拠点と同等の運営水準を維持するものとします。 各拠点には、本事業に関する運営責任者を配置します。 事務局と連携し、定期的に運営状況の確認および情報共有を行い、運営上の課題や改善点について相互に共有します。 

8. 安全・衛生管理 

かんしょくプロジェクトにおける安全・衛生管理は、利用者、ボランティア、関係者すべてが安心して参加できる事業運営の基盤となるものです。本章では、事業全体に共通する基本的な考え方および遵守事項を定めます。 拠点運営にあたっては、事務局が定める衛生管理マニュアルに基づき、食品の取り扱い、会場環境および備品管理等について、定められた手順を遵守します。 事務局スタッフ、拠点関係者およびボランティアを含む参加者全員について、活動前に健康状態を確認し、発熱や体調不良がある場合には無理な参加を控えるものとします。 菌の混入および増殖のリスクを最小限に抑えるため、温度管理、時間管理および清掃管理を徹底し、調理後から提供、喫食に至る各工程において、安全性が確保された状態を維持します。 これらの取り組みにより、食中毒等の事故を未然に防止し、継続的かつ信頼性の高い事業運営を行います。 

9. ボランティア 

ボランティアは、かんしょくプロジェクトの理念を実現する上で重要な役割を担う存在です。本章では、ボランティア参加に関する基本的な考え方および遵守事項を定めます。 

9-1. ボランティアの目的 

ボランティア活動は、本プロジェクトの理念に基づき、安全で安心な食事提供の実現と、利用者が安心して過ごせる居場所づくりを支援することを目的とします。

9-2. 人数配置 

配食および会場運営にあたっては、提供規模および会場条件に応じて、利用者に対して安全かつ円滑に対応できる十分な人数のボランティアを配置します。 

9-3. 年齢制限  

ボランティア参加は、原則として18歳以上とします。 未成年者が参加する場合には、保護者の同意および事務局の事前承認を必須とし、活動内容および配置については安全面に十分配慮した上で決定します。 

9-4. 秘密保持 

ボランティアは、活動を通じて知り得た利用者の個人情報、関係者の情報および事業運営に関する内部情報について、第三者に漏えいしてはなりません。 本義務は、活動期間中のみならず、活動終了後においても継続するものとします。 

10. 情報・データ管理 

かんしょくプロジェクトでは、利用者、ボランティア、関係者のプライバシーを尊重し、信頼性の高い事業運営を行うため、情報およびデータを適切に管理します。 個人情報の取得にあたっては、利用目的を明確にした上で必要な範囲に限定し、目的外での利用は行いません。 取得した個人情報および事業運営に関わるデータについては、適切な管理方法を講じ、不正アクセス、紛失、漏えい等の防止に努めます。 データへのアクセス権限は、業務上必要な最小限の関係者に限定し、権限の管理および見直しを適切に行います。 

11. 居場所のルール 

本プロジェクトが提供する居場所は、すべての利用者が安心して過ごせる空間であることを前提とします。そのため、利用者、ボランティア、関係者は、以下のルールを遵守するものとします。他者の立場や多様性を尊重し、差別的、威圧的、または不適切な言動を行わないこと。 誰もが安全で安心できる空間となるよう、相互に配慮し、居場所づくりに協力すること。 会場の秩序および安全を保つため、スタッフおよびボランティアの指示に従うこと。 これらのルールは、利用者一人ひとりの安心を守るとともに、プロジェクト全体の円滑な運営を目的として定めるものです。 

12. 遵守すべき食品衛生基準

かんしょくプロジェクトにおいて提供されるお食事は、安全性を最優先とし、厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」およびHACCPの考え方を踏まえ、以下の基準を遵守するものとします。 

12-1. 加熱(中心温度)に関する基準  

加熱調理を行う食品については、中心温度75℃で1分以上の加熱、または中心温度88℃に達していることの確認を行います。 二枚貝については、食中毒リスクに配慮し、中心部が85℃〜90℃で90秒間以上加熱されていることを確認します。  

12-2. 喫食までの時間管理(温食)   

温かい状態で提供するお食事(温食)については、65℃以上を維持し、調理完了後2時間以内に喫食が完了することを原則とします。 提供時間を超過するおそれがある場合や、安全性が十分に担保できないと判断される場合には、提供を中止します。 

12-3. 年冷食(冷却を含む)の温度管理   

冷食として提供する食品については、調理後、速やかに20℃以下まで冷却、または加熱後冷却工程がある食品は、加熱終了後60分以内に10℃以下まで冷却します。その後は10℃以下で保存します。これには、保管時および運送時を含みます。 

12-4. 提供時の管理  

提供時においては、盛り付け直前まで、冷食は10℃以下、温食は65℃以上の状態を維持します。 

12-5. お弁当に関する基準   

(1) 準備 

お弁当の調製にあたっては、HACCPに沿った衛生管理を基本とします。 冷蔵で提供する場合は10℃以下、温蔵で提供する場合は65℃以上で保管します。 食品の特性および提供条件を踏まえ、消費期限を適切に設定します。 

(2) 運送から提供まで 

運送時および提供時においては、直射日光や高温環境を避け、可能な限り速やかに喫食が完了するよう配慮します。 衛生および安全確保の観点から、お弁当の持ち帰りは禁止とします。 

(3)弁当の表記 お弁当には、原則として食品表示法に基づいた表示を行います。 名称は、「幕の内弁当」「のり弁当」「とんかつ弁当」「いなりずし」等とし、惣菜にあっては「煮豆」「つくだ煮」「コロッケ」「マカロニサラダ」等、その内容を表す一般的な名称を表示することとします。 

原材料の表示については、食品表示基準に基づき、消費期限の日付の表示を義務としますが、品質(状態)の劣化が特に早い弁当類については、「年月日」に加え、必要に応じて「時間」まで表示することとします。 

また、特定原材料(8品目)である、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)については、表示を義務とします。 

(4)参考資料 

本基準の策定にあたっては、以下の消費者庁による表示基準・解説を参考にしています。 

● 消費者庁「別添 弁当・惣菜に係る表示」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_230629_14.pdf) 

● 消費者庁「食物アレルギー表示ハンドブック」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_210514_01.pdf) 

● 消費者庁「早わかり食品表示ガイド」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/assets/food_labeling_cms201_250512_02.pdf) 

13. 効果測定

かんしょくプロジェクトでは、事業の有効性および社会的価値を可視化し、継続的な改善につなげるため、効果測定を実施します。 

13-1. 測定項目 

効果測定にあたっては、主に以下の項目を指標とします。 

● 食品ロス削減量(重量・食数等) 

● 食品ロス削減に対する参加者・関係者の意識の変化 

13-2. 測定方法    

測定は、定量的・定性的な両面から行います。食品ロス削減量については、提供実績の記録をもとに算出し、意識の変化についてはアンケート調査を通じて把握します。 

13-3. アンケートおよび実施頻度    

アンケートは、利用者、ボランティア、関係者を対象に実施し、事業への理解度や意識の変化、ならびに改善点の把握を目的とします。 実施頻度については、各拠点および利用者の特性を踏まえ、拠点長を中心に関係者と協議の上決定するものとし、最低でも年に一度は実施します。また、必要に応じて、事業の節目や特定の取り組み後に追加で実施することがあります。 アンケート結果は、事業改善および関係者への報告資料として活用します。 

 

14. 留意事項 

14-1. 関係者・連絡体制

本ガイドラインの作成および運用に関する責任は最愛の食卓事務局が担います。運営上の問題や緊急時には、事務局が定める連絡先へ速やかに報告・相談を行ってください。

15. 事故・緊急時の対応

かんしょくプロジェクトにおいて、事故、体調不良、食中毒の疑い、トラブル等の緊急事態が発生した場合には、被害の拡大防止および迅速な問題解決を最優先とし、以下の方針および手順に基づいて対応を行います。 

15-1. 事実確認および一次対応 

事故または緊急事態が発生した場合には、現場において以下の対応を速やかに行います。 利用者および関係者の安全確保を最優先とし、必要に応じて救急要請等の緊急対応を行います。 事故の発生状況、日時、場所、関係者、内容等について、可能な範囲で事実確認を行い、記録します。 提供中または提供予定の食事について、安全性に疑義が生じた場合には、直ちに提供を中止し、原因が判明するまで再開しません。 二次被害や混乱を防ぐため、現場判断での情報拡散や憶測による説明は行わず、事務局の指示に従います。 

15-2. 事務局への報告フロー 

事故または緊急事態が発生した場合には、拠点責任者または現場責任者は、速やかに事務局へ報告を行います。 報告は、事務局が定める連絡手段(電話、指定フォーム、メール等)を用いて行うものとします。 報告内容には、事故の概要、発生日時、場所、関係者、現時点での対応状況および被害の有無を含めます。 事務局は、報告内容をもとに状況を把握し、必要に応じて関係機関への連絡、追加対応の指示、再発防止策の検討および関係者への説明を行います。 これらの対応を通じて、事故の影響を最小限に抑えるとともに、事業全体の信頼性維持に努めます。 

16. ガイドラインの見直し

本ガイドラインは、法令、社会状況、事業内容および運営体制の変化等を踏まえ、必要に応じて見直しを行うものとします。 関連法令や行政指針の改正、社会的要請の変化、事業の拡大または運営形態の変更等が生じた場合には、内容の妥当性および実効性を検証し、適切な改定を行います。 ガイドラインの改定は、最愛の食卓事務局を主体として行い、改定後は関係者に対して速やかに周知します。 改定されたガイドラインは、原則として周知日以降の事業運営に適用されるものとします。 

 

17. 責任の所在

かんしょくプロジェクトは、本ガイドラインおよび関連マニュアルに基づき、提供食品の安全性および事業運営の適正性を確保するよう最大限の努力を行います。 

17-1. 責任の所在 

本プロジェクト全体の運営方針の策定、ガイドラインおよび各種マニュアルの整備、ならびに事業の統括管理については、最愛の食卓事務局が責任を負うものとします。 各拠点における日常的な運営、現場管理、安全確保およびボランティアの配置・指導については、当該拠点の責任者が、本ガイドラインおよび事務局の定めるルールに基づき責任をもって行うものとします。 連携拠点においては、連携団体または企業が、自らの責任において拠点運営を行い、事務局と連携しながら適切な運営水準の維持に努めるものとします。 

17-2. 免責に関する考え方  

天災地変、不可抗力、交通事情、突発的な設備不具合等、事務局および拠点の合理的な管理の及ばない事由により生じた損害については、その責任を負わないものとします。 また、利用者、ボランティア、関係者が本ガイドラインまたはスタッフの指示に反する行為を行ったことにより生じた事故・トラブルについては、原則として責任を負わないものとします。 ただし、重大な過失または法令違反が認められる場合には、この限りではありません。 

18. 附則(施行および適用) 

本ガイドラインは、制定日より施行するものとします。 本ガイドラインは、施行日以降に実施される、かんしょくプロジェクトのすべての事業および拠点運営に適用されるものとします。 なお、本ガイドラインの内容は、必要に応じて改定されることがあり、改定後のガイドラインについては、事務局からの周知をもって適用されるものとします。 

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